初めからないもの

初めからないものは、全ていずれなくなっていく運命の上にあります

と言ったのは吉本隆明だったか。


PHSからtwitterが使えなくなった。
不便だ。
というか、面白くない。
面白くない時は未来の予定が変わった時だ。


私の持ち物はいずれ全て手放さなくてはならない。
私自身も手放さなくてはならない。
私の死というのは、考えようによっては、私以外の全てが一瞬にして、私を残して死んでしまうことなのかもしれない。




絵描きの彼氏を残して死んでしまった夢を見た。
だだっ広い白いアトリエで、私は壁に寄り掛かっていた。
高い位置にある窓の外の葉のない木の枝、飛ぶ烏を眺めていた。
「私は生まれ変わって、あなたに会いに来るけど、(あなたには)わからないわね」
と私はちょっと寂しそうにタバコを吸いながら言っていた。
彼氏は動きを止めて、タバコを吸う私をしばらく見ていた。
私はうつむきがちに、煙をフーッと強く吐いた。
私もまだまだ弱いな、と思った。


前世みたいな夢だ。