黒いベールの君

フェルトセンスに「早く書け」と言われた。
ていうか、書かないと次のことできないときとかありますからね。
そういえば、フォーカシングの話を小説風にして
読み物にしてまとめよう、って話がうっすら出ているのだが
これが、また
ここに載せているそのままの文章じゃどうにもね
という話になってね。
でも私が書いてる小説って
いつもほとんど自動書記なんですよ!
だから話があんなにがっちり既にできていると
どうにもできないというか
めんどくせー
みたいな・・・。
まあ、5月が終わるととりあえず一息つくので
ちょっと考えてみましょうかね。
自動書記小説だったら
ショートショートなので
書き始めて30分で草稿ができるんですけどね。
まあ、どこかに出すべきものだったら
そのうち出来上がるだろうな。
なんて話はとりあえず。




最近、またどうにも婦長さん
いや、不調さんが出てきてしまい、
困ったもんだでフォーカシングですよ。
不安とか恐怖とか(同じか)を放置してたら熟成されちゃって(汗)。
無視したところでなにも改善しないね、こういうの・・・。


胸の奥にある暗い場所にいる、そのフェルトセンスに
「やあ、どうも」と声をかけると、
黒いベールをかぶった人がいた。
真黒い布は透けることがない布で
ムスリムの女性たちがする装束を思い出した。
ベールはただ、頭に乗せるようにしてかぶっているだけに見えた。
近づくと、彼女は私の左手首を強く掴み
「あなたはひとりじゃない、
あなたは、ひとりじゃない」
とはっきりとした口調で言った。
私の眼を強く見返した。
その顔は、私の顔だ。
同じ顔なのだが、瞳の強さはそれが胸に刺さるようで
実際の瞳よりも大きく見えた。
「どんなときにもわたしがいる、
わたしを排除しようとすることは意味がない、できない。
わたしはあなたが生まれたときに生まれた。
わたしはあなたの部分だ、あなたはひとりではない。
恐れを恐れるな、サインはサインでしかない。
恐れに意思はない」
彼女の瞳を見ていると、
彼女の装束と瞳はだんだん青味を増し、
深い藍色になった。
深海や深夜を思い起こさせる色だ。
もっと明るい色に変わるのかな、と思っていると
「わたしを無理やり光にするな、わたしは光ではない」
という。
「わたしは闇だ。闇が光の反対だとでも?
わたしがなければ光はない。
光の反対は闇ではなく、虚空だ。
そして、光も闇も虚空から生まれている。
この世に本当に反対のものがあるとでも?
我々は相互関係の中でバランスを取って生きている。
わたしを光にするな、わたしはわたしであり続ける。
わたしはお前と共にあり続ける、お前が消えるまで」
藍色から黒にわたる色の世界の中で
彼女の私を掴む手が異様に白く見えた。
その冷たさが、心に温かさを投げ入れた。


彼女と話をして
何だか私はとてもホッとした。
彼女は私の闇の部分だろうけれど
私にとって、「適温」の存在だった。