分け合って食べたり

先日の、内臓きらきら話のつづき。


そばにいる、金色のローブ来て立っている人を見てたら、
その人の体の真ん中にティッシュケースの割れ目みたいに切れ目があり、
ゴロンゴロン、と白黒にまだらな石みたいなものが落ちてきた。
あわわ、という感じでその男性は中身を拾う。
その男の顔が、Wの顔になっていた。


石じゃん、と思ってみていると
「ふじさんには石でも、僕にとっては大事なものなんです!」
と言われて、その石に顔を近づけると、何やらいいにおいがするので、噛みついた(笑)。
そうしたら、胡麻味の、なんかサクサクしたおいしいお菓子だった。
食べ続けてちょっと甘いかも、と思ったあたりで
トロッと苦いシロップみたいなのが出てきて、絶妙!


いつの間にか、Wと私は並んで座っている。
Wの中身が甘かったので、私の中のものを探って、透明な山吹色のものを出した。
それを、スプーンで二人ですくって食べると、オレンジゼリーの味がした。
その次に、また、私の中から赤っぽいものを取り出し手で割った。
それを分け合い、齧る。しゃくしゃくした甘酸っぱい味だ。おいしい。
どっかで食べた味だなぁ、などと思っている。


確か、その人の中にはその人の人生に必要なものが入っている
みたいな話をしたような気がする。
話しながら食事をしてしばらくすると、Wが「さて」と言い立ち上がった。
「こうやって中身を分け合った、っていうことは、まあ、そういうことですから」
と言って膝を払った。
え、こういうことってどういうことですか?
「人生を分け合ったっていうことですから、そういうことですよ」
と言って笑って、「じゃ」と挨拶すると、
さーっとすごいスピードで歩いて行ってしまった。
えええ、何、何???
核心を言えよ!
ていうか、まだそれを知るときじゃないってこと?
わからんなぁ、と思いながら、私は赤い透明な自分の中身をしゃくしゃく食べていた。


なんでしょうねー。
Wは身近な人物なんでございますが。
何しに出てきたのやら。
そういうことですから、って言われてもねえ。
まあ、出会った人すべての要素が大なり小なり自分になっていくっていうのは
最近なんとなく実感していることではありますが。