うさぎさん 続き

私が洞窟の中でうさぎさんの首を絞めていた。
もちろん、うさぎさんはぬいぐるみなので、締められてもなんともない。
縮むだけだ。
ただ、うさぎさんの中にどんどん悲しみみたいなものが溜まっていった。
首を絞めていた私は、べろべろに髪を伸ばした女で、ぼろぼろの服を着ている。
うさぎさんの首を絞めていたが、罪悪感に苛立ちが加わって、
うさぎさんの首に手をかけたまま、焚火の炎に顔を突っ込み、自ら焼いた。
ギャー
という叫び声は、罪悪感からの苦しみだったのか、
それとも焼く苦しみだったのか。


うさぎさんは、私が首を絞めているのを悲しく思っていたようだ。
何故か、うさぎさんと私は他のぬいぐるみを取り合いしていると思っていた。
うさぎさんは、私が望むなら何でもしてやるよ、とどこかで思っていたようだった。
悲しさは悲しさのままで、喜びは喜びのままで。
だから、あらわれて捨てられることもそれでよかったのだろうか。
けれども、悲しさは悲しさのままで。


妖怪のような風貌の私は、頭を抱えて叫びだした。
何も変わらない閉塞感に頭がおかしくなりそうだ。