ここに居切る方法
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主人公は、顔しか動かせない。
半身不随と言えば、思い浮かぶのはこちら。
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どちらの主人公も、初めは「死にたい」と言い続ける。
「海を飛ぶ夢」の主人公ラモンは、尊厳死を主張して裁判を起こす。
彼は最後まで死にたいという望みから逃れることはない。
死を甘美なるものとしてとらえている。
結局、自殺幇助によって死んでゆく。
「潜水服は蝶の夢を見る」の主人公ジャンも、当初は「殺してくれ」「死にたい」と言い続けるのだが
あるとき、それを言うのをやめる。
自分の自由は、自分の心でどうにでもなるのだ、と気づいたときにそれが終わる。
自分を憐れむのは、もうやめだ
このセリフ、ベンジャミン・バトンでも出てくる。
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その中で、若返ってゆくベンジャミンに老いゆくデイジーが言う。
この諦めとも見える覚悟が、
- 自分が生きる自分は、この自分しかいないこと
- 事実は事実であり続け、ただ受け入れられることを待っている状態にあること
- 心は、自分で変えてゆくことができること
を自分に強烈に自覚させ、自分を受け入れる助けになるのだろう。
自殺という形で死を選んだ「海を飛ぶ夢」のラモン。
「潜水服は蝶の夢を見る」のジャンとラモンの一番の違いは何だったのか、と考えていたが
現実を受け入れる覚悟をし、それをしたか
ということが一番ではないかと思う。
「海を飛ぶ夢」のラモンが、思いつめて叫ぶ言葉にはっとした。
「なぜ、俺はこんなに死にたいんだ!」
もう、自分を憐れむのは、やめよう・・・。
何度迷うことがあっても、それを選んでゆこう。
さいごまで、選び続けよう。
自分を憐れむのは、もうやめだ