光で胸を刺される

あんまりにも顔中ににきびができるので、
困ったなぁ、痛くはないけどなぁ、すごいっすよもう〜
あ、フォーカシングするか、ということで。



にきびさん、言いたいことは何ですか。
というと、両手で顔を覆った人。私か。
何か色々言っている。
小さい声で、
男に生まれるべきだった、いや、今のままで良いのは分かってる、
でも、本当は、本当はこんなことになるはずじゃなかった
選んだのは私だ、でも苦しめるつもりじゃないのに
などと言っている。
何かもっと、大きな言いたいことがあるようなのに、言い淀んでいるようだった。
その感じに深く入っていく。
大事な人たちに対する、愛情や好意みたいな感覚の層を抜けていく。
するとそこで「生まれてきてごめんね」という言葉が落ちていた。


あー。
生まれてきたくなかったのに、とか、
産まないでほしかった、という怒りを含んだようなものも周りに落ちていた。
でも、そういったものは、「生まれてきてごめんね」を守るようにしていたものみたいだ。
この感じ、高校生ぐらいの時に、その周りにあるものを散々味わった。
思い出して、涙が出そうだった。
今回出会った、「生まれてきてごめんね」の方は、周りに対する慈しみの感情があることが、今までと違うところだ。
申し訳ない、という感じ。
きっと、今までは私が周りの人に自分が思う以上に愛情がある、ということが分かると、何かまずかったのではないだろうか。
生まれてきて、散々だよ!という思いが重すぎて、周りに愛情があって、さらにその人たちに対して、ここに居るのが私で申し訳ない、という思いまであるのが自分に分かったら、抱えきれなくて山体崩壊です、というような。


背中に手が当てられている感じがあった。
レキエルだ。彼の長い白い髪が、私の肩に乗っている。
「今は、そのあなたでいい」と言っている。
「私は、初めから最後までともにいて、その後は、また一緒になります」
生まれるときに分離したものが、死んでまた融合する感じか。
しかし、この「生まれてきてごめんね」という感じ、もういらないよ。
もういらないから、どうにかしてくれー。
と思っていると、後ろで「はい」という声がする。
振り向くと、ウェーブがかった金髪ロングヘアの兄ちゃんが、右手に金色の短剣を持って立っている。
あ、ミカエル、と思う。
呼ばれて出てきたのか。
ミカエルは、右手に持っていた短剣を、さっくり私の鳩尾に刺した。
高校ぐらいの時、自己嫌悪で頭がおかしくなりそうだ!と思ったとき、想像でよく自分の心臓に刃物を突き立てたのを思い出した。
同じ場所だ。
「あー、これ、違うから」とミカエルは言う。
短剣の、体から出ているところが強い光を放ち始める。
「しばらく刺さっているうちに、よくなるから。まあ、徐々に」
うーん、針治療みたいな感じだろうか・・・。
あっけにとられてぼーっとしていると、
「まあ、時間がをかけた方がいいこともあるし」
といって、じゃ、と片手を振って、どこかに帰って行った。
レキエルが、慈しむように背中をなでてくれていた。


何だったんでしょうか。
うーん。
最近久々にブリミア到来っぽかったのも、それかなぁ。
にきび、よくなるかしら。


書いていて気付いたけど、私、今まで、人間関係は利害の一致でしか形成されないんだ、という恐れをどこかに持っていたんだなぁ。
愛しているのがばれたら搾取される、とでも思っていたのだろうか。
本当に大事なものなんて、奪えやしないのに。
それが、分かってきたということかしら。