16世紀 エリザベート

今回の前世は、新しいバージョンですた。
前世CDだと、初めにリラックスゾーン(庭園みたいなところ)に入るのだが、そこに入ってくるのはレキエルと、うたさんだけ。
他の人が現れることはないのだが(前に死体?みたいなものが置いてあったことがあったが・・・)、昨日の扉だと言った男性がいて、鏡にも誘導して、一緒に入りました。
なんじゃー、おまえー。
レキエルもいたけど、「なにこいつー」とレキエルに言いつけたら
「まあ、まあ」と言ってにこにこしているだけでしたよ。
そういば、何かはかなげな印象だったレキエルですが、何か実体と言うか実感がわいてきた。
なんだろー。
まあ、変わったのはいつも私の方か・・・。
 
なんか、ヨーロッパの豪華な金色のツタ模様の鏡の中へ。
ツタの飾りは、細め。
鏡を通り抜けて、出ると、木陰の草むらの上に仰向けに寝ているらしい。
私の顔を覗き込んでいる男性がいる。
こいつ、扉の男だ(→目を閉じて、扉とゆく - in and around)。
彼は茶色い髪、白いブラウス、黒っぽいズボン。
彼を見たとき、あれっ、日本じゃないのか!ヨーロッパ?と見ている自分は思った。夢から覚めた瞬間のように、現在の自分と、その時代の自分の意識が一瞬混濁した。この経験は、初めてだ。
私は女性で、カジュアルのアドレス姿。胸元にフリル。
くりくりに癖のある柔らかい茶色い髪を上にまとめて、足は、裸足みたいだった。
「だめ、だめ」と私は言う。
「神には誓えない!私は結婚するんだもの。一人にしか、誓えない」
と私は彼に言った。私は、政略結婚をする予定のようだった。
私の結婚で、家がもっと良くなるのだ、それが私の仕事だ、という自負があった。
また、敬虔なキリスト教徒のようで、結婚する相手に生涯の愛を誓うので、そばにいる男性には、神に誓うことはできない、と言っているらしい。
でも、愛しているのは明白。
彼の名前は、ラルス。従兄のようだ。
「僕は、じゃあこの世界に誓おう」と彼はいう。
私の裸足の足に、靴を履かせてくれる。
「なぜあなたはこれほどまでに、私と違うのか」と彼はいう。
彼の私への称賛の言葉のようだった。
傍にあった馬車に乗って帰った。物凄い豪華な内装だった。
 
ラルスと、大きな窓のある部屋で話している。
私は小さな書斎机(すごい装飾)で、ペンを持っている。
フェリペ2世が、イギリスに進攻するそうよ」と私が言った。
ああ、エリザベス一世の時代か、この前映画で見たぞ。
戦争になるのかしら、どうなるのかな、と思っている。
不安はないみたいだった。
「エリザベスは勝つのかな」とラルスはちょっと意地悪そうな顔で笑う。
「強い女の名前だ」と。
私は、さあ?といって両手を挙げる。
私の名前は、エリザベートのようだ。
私達は、スペインかフランスの人間のようだった。
 
赤ん坊をあやしている。
生まれて、2、3日、といったところだ。
レースの付いたおくるみの中でよく眠っている。
凄い宮殿みたいな内装だ。
私は白いでかいかつらをかぶっている。
ラルスがやってきた。ステッキを持っていて、白いかつらをかぶっている。
私の右額の生え際あたりにキスをする。
「なぜ、こうもあなたは私と違うのか」と嬉しそうに言い、
赤ん坊の頬を二回、ぴたぴたと指で触って微笑んだ。
「あなたの血も入っている子よ」と私はいう。
どういう意味だ?従兄だから、という意味か、心の話か。
夫が、大きなもの音をさせてやってきた。
かなり年上らしいが、私との関係は良好のようだ。
「やあ、ラルス、来たか、来たか!」と大きい声でいう。
「食事は?泊って行くんだろう?妻の兄のような人であれば、私にとっても身内というわけだ」と言っている。
ラルスは丁寧に会釈をして「喜んで」と言って夫と一緒に部屋を出て行った。
 
私は年老いている。
恰好は、金持ちそうな感じだ。
おばあちゃん、といった感じだろうか。
座って外を見ていると、ラルスがやってくる。
彼ももう、自分の家族と、孫もいる。彼の孫の誕生にも、贈り物をした。
私の右のこめかみと、右の鎖骨にキスをする。
「もう、老いてしまったわ」と私はラルスに言う。
「私の魂を、ここに埋めよう」とラルスは鎖骨に唇をつけたままいう。
「なぜ、これほどまでにあなたは私と違うのだろう」と私に囁いた。
彼の首筋に、右手を乗せた。
私達はきっと、今、神に近いところに居る、と思う。
死期がそばまで来ているのを、感じる。
 
手をつないでいる、ラルスと。
私は、3,4歳といったところか。
高いところから、森と草原を見下ろしている。
ずうっと、このまま、と思う。
走ったりしたって、ラルスは私の手を離したりしない。
ちょっと、握ると、ラルスが私の左手を、ぎゅう、っと握り返した。