先祖は祟るのか

最近どうにも気になってしかたのない、墓がある。
私が小学校上がるか上がらないかぐらいの幼い時に
一回だけ行ったことのある先祖の墓。
そのあとは一度も行っていない。


急にその墓の映像が頭に浮かび、
そこに血縁としてつながる祖母をやたらに思い出し、
父と叔母に訊いてみたところ・・・
超曖昧な場所しか教えてもらえなかった。
言ってみれば、新宿東口、みたいな言い方。
しかも、読み仮名しか教えてもらえず
(詳しいことがわからないと言っていた)
しょうがないのでググってみた。
見つけてしまったww
読み仮名に相当する場所はなく、
実際は、○○●●(●が読み仮名)みたいな地名。
後ろに丘を抱える砂浜の上に、
突然海をバックに現れた墓を覚えていたため、
地図を探したら見つけたのでした。
見つけた自分にもびっくりしたけど(笑)。


叔母は、「もうずいぶん前だったから思い出せない」と言ったが、
父はどうも、「行ってはいけない」と言う。
そこにお参りすると、必ず行った人間のうち一人が病気になるという。
実際、私が一回だけ行った時、
私が大当たりをひいて物凄い熱を出した。
それは覚えている。
「あー、ふじちゃんが当たったね」と言われたが、
そのときは「祟りなわけねーだろ」と幼心に思っていた。
まあ、帰れなくなるんじゃないかっていうぐらい凄い熱だったんですけど・・・。
ちなみに、周辺にある違う墓を祖母が整理したのだが
この後すぐ、祖母は病気で死んでしまった。
偶然が重なったのだろうけど、
こうしたことが重なって、親戚一同
「あの墓やばい」という思いでいっぱいなのであった。


さらに調べると近くに神社があり、
ここがどうも、応神天皇系列の神社らしい(名前から)。
そっち系のサインなのかなあ?などとも思ったり。
しかし、普段、どんな場所でも何ともない父が
今回ばかりはやめろというのでどうもね・・・。
まあ、母親をそれで亡くしていると思っているようだし
その母親(私からすれば祖母)と私は生き写しみたいな見た目だしね。
気になるのであろう。
しかし、私も気になるのだよ!(爆)
そんなに言われたら(笑)。



その墓、場所はわかったはいいけど半径10kmぐらいは、バス停もない。
超辺鄙な場所にあるため、レンタカーか、タクシーしかない。
親類の家から、一時間で行けそうだが、おそらくというか絶対、車出してくれない。
貸してもくれないだろう。
どうしようかなーと思っておりまして。
こういうときにはフォーカシングっすよ!(爆)


というわけで、
フォーカシングの中で、その墓に行ってみた。
すげー、清々しいんですけど(笑)。
青い海、青い空〜〜♪みたいな。
お墓は5つぐらいの墓石が集まって置かれていて、
蘇鉄とか、なんか背の高い草が生えている。
なんにもないじゃーん、と思っていると、
前から着物姿の人が何人かやってきた。
5、6人といったところだろうか。
「おお、よく来た。よく来た」と言って喜んでくれている。
私はなんとなく、涙ぐんでしまう。
「こうやって来るのを、ずっと待っていたんだよ」という。
綿の紺の縞模様の袴の男性である。
女性もいる、やはり、紺色っぽい着物を着ている。
「わたしたちが引き継いできた、この枷をいつか外す時が来ると思っていた。
枷をかけることで、経験するものが私たちには必要だった、けれどここで終わりだ。
もう何も、滞らせる必要がなくなった、終わったのだよ」
それを言われると、
突然、辺りが夜になった。
空からひとつの大きな星が流星となってこちらへ真っ直ぐに飛んでくる。
黒い海面に光を映し、すごいスピードでやってくると私の胸を貫通した。
自分が見えなくなるほどの、圧倒的な光だった。
星は一瞬で物凄い光量を放ち、私の中で消える時を迎えていた何かを焼き尽くし、
一瞬でまた、終息して消えた。
「ほれ、もうこれを渡す時がきたのだよ」
と、一人の男性が両手いっぱいの大きさの笊を私に見せた。
その籠には、金平糖のような形をした小さな星が物凄くたくさん乗っていた。
「これが全部、本来、一人の人に与えられたものだよ。
受け取り、育てなさい。もう、見ることができる」
と彼は言った。
私たちは、自分たちの成長のために枷をかけ、それをあえて忘れ、
人生に与えられた多くのものが見えないような仕掛けをかけていた。
その仕掛け、枷は、ある意味呪いや祟りといえるものだったのかもしれない。
私がここにきて、かつて熱を出したのは、そこに来ていた親族が抱える
「ここは怖い場所である」という恐怖を一身に受けたためのようだった。
笊に乗せられた星のひとつを口に含むと、甘いような酸っぱいような味がした。
「わたしたちは、お前がここに来るのをずっと待っていた。
一人がくれば、あとはもう、何も問題はない。
枷を外す者は一人でいいのだよ。
一人のしたことは、すべてにつながっていくから」
と言っていた。
気がつけば、辺りはまた、昼のような明るさになっていた。
彼らは風呂敷を広げ、食べ物を並べ、宴会を始めた。
私に、そこにあるものを食べろ、食べろという。
どうしようかなと思っていると、ふと耳元で「それを食べてはいけない」という声がした。
両肩に、軽く食い込む爪の感触がある。
見やると、肩から首にかけて、1.5mぐらいの青緑色の竜が巻きついている。
「食べてはいけない、境界を越えてはいけない。
お前はまだそちらに行くには早い」と竜が言う。
それを聞いてペルセポネーの神話を思いだした。
気がつけば、彼らの姿は骸骨になっている。
やはり死者なのだな、と思う。
怖さはないが、自分とは違うものなのだと感じた。
竜は私に「土産の、酒をふるまえ」と耳打ちした。
気がつくと、青透明な一升瓶を左手で持っている。
それを、湯呑のような彼らの白い器に注いでゆく。
「気が回るなぁ」などと言いながら、彼らは酒をあおってゆく。
骸骨だった彼らの体が、薄水色に透ける体を得て行く。
体の中を酒が流れてゆくのを見る。
私も飲む。
すると酒は、内臓をゆるい炎で焼くように下へと降りてゆき、心臓が温まっていくのを感じた。
ああ、また彼らに酒を持って行こう、彼らは私なのだから、と思った。
空が、茜色から紫のグラデーションになり、それが海に移り、日が暮れて行こうとしている。
大きな太陽が半分、水平線から顔を出している。





うーん。
「またねー」という感じで私はフォーカシングから戻ったわけですが。
全然怖くないっつうか。いや、骸骨とか、「ゲッ」って思ったけど。
何だったんだろうね。
「祟っているような役割をすることで、子孫の成長を促す」ということをしていたのではないかしら。
第一、繁栄を願いはしても、子孫を祟ってどうするよ
と思っていたこともあって、こういったフォーカシングの結果だったのかもしれない。
まあ、でも、実際に行かなくてもこうしてイメージの中で行けるのだし、いいかなという気もした。
色々使えるな、フォーカシング(笑)。
みなさまも、ぜひどうぞ。