人間ってのは大して変わらない

善いも悪いも、みんな持ってるもんだと。
すべての要素の発現の仕方が違うだけなんだと
それだけなんだと思います。
あなたがそれをやるから、わたしはこれをやる。
同じものはないようになっているんです。
そう思うのです。


ほぼ日刊イトイ新聞今日のダーリンがよかったので、
転載しておきます。
明日になったら消えちゃうからね。

またまた、いまさらながらに思い出すのです。
 
 人間は、じぶんの欠点には目をつぶり、
 他人の欠点をことさらにあげつらい責めるものです。
 いつでも、じぶんの側に正しさや常識というものがあり、
 それに反対するものは「悪」だと思いたがります。
 これ、直らないんですよね。


 めずらしく長めの引用をしますが。
 聖書「マルコ伝」についての講演のなかで、
 吉本隆明さんが語っているところ です。


 「あいつ何偉そうなこと言ってんの、
 あいつ知ってるけどこうじゃねぇか、
 というふうに言いたくなるってことはあるわけなんです。 
 だけども、その場合に、
 自分のほうは棚上げにしてあるわけですよ。
 自分もそうなんですよ。
 自分だってそうだってことは誰でもそうだってこと、
 誰でもそうだってことは、
 人間は誰でもおなじだよという意味ではなくて、
 人間性というものの中に根ざしているものは、
 誰もおんなじものがあるのですよ、ということなんです。
 人間性の、ある本質というのものは、
 そこに含まれてるんですよ、ということです」


 せめて、そこまでの
 「人間ってやつ」についての理解さえあれば、
 いつでも「おれもだよ!」という考えを混ぜられれば、
 もうちょっと、世の中の息苦しさが減るのになぁ。
 「いつも正しくて頭のいい人」でいたいというのも、
 「おれもだよ」なのではありますが、
 もうちょっと、頭を低くして考えられないものかなぁ。


 メディアだとか、ネットだとかを通じて、
 聞こえてくるさまざまな発言が、
 疑いもなく「いつも正しくて頭のいい人」のものばかりで
 くたびれちゃいました。
 「鏡を見ろ!」と、言いたくなるけど「おれもだよ」。